歯科医 東のウェブログ
日本人歯頚部径の計測
インプラント径選択のための日本人歯頚部径の計測
戸室et,vol, 23,no1,12-12,日本口腔インプラント学会誌
材料と方法
ほぼ全顎に永久歯を有する日本人頭蓋110体を、歯種、左右別に、頬舌側径、近遠心径を測定して、男女差を比較した。測定値から歯槽骨頂における歯根径を測定し、適切なインプラント直径を算出した。
CEJ部の最大唇頬舌径と最大近遠心径を計測した。
測定値は同一術者が繰り返し5回測定し、最大値と最小値をのぞいた3回の平均値とした。
欠損歯、歯根破折などの測定不能な歯、奇形歯は測定から除外した。
各歯種別に「生物学的同等性検証」を用いて、左右の歯の対称性を確認した。
男女差は各同名歯の平均値を、SPSSを用いてWelchのt検定を行った。
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あまり面白くなかったので、考察からインプラント関連の情報抽出。
天然歯と類似させるために、CEJ下2-3mm歯根側の近遠心歯頚部に近いインプラント直径が推奨されている(KOIS, J.C.:Altering gingival levels:the restorative bonection, part one:biologic variables;J.Esthetic Den., 6:3,1994)。
インプラント直径の選択に歯の近遠心歯頚部径を参考にしているHEBELらの報告は、歯頚部近遠心径の2mm根尖側よりの歯根径に近いインプラント直径の選択を推奨している(HEBEL, K.S. and GAJJAR, R.;Chapter 5 Anaomic basis for implant selection and positioning;BABUSH, C.A:Dental implants.The aret and science;W.B. Saunders Company, Philadelphia, USA, 85-103,2001)
ほかにも歯種の近遠心と唇頬舌歯頚部径をインプラント径の選択基準としている論文あり。
(PERMAR, WOELFEL)
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今回の測定では3.0mmから8.0mmのインプラント径が必要。
でも8mm径のものなど埋入できないだろう。