治療について
親知らずの抜歯
水平に埋伏している親知らずの抜歯もできます
親知らず
親知らずって聞いたことがあると思います。一番奥の歯で、抜くの痛いんでしょ?といイメージでしょうか?そもそも抜かないといけないのでしょうか?2005年のCochrane Oral Health Groupのsystematic reviewでは、予防的に親知らずを抜くことと、そのままにしておくことを比べて、どちらのほうがいいという根処はないね〜という結論が出ています。
いま埋まっている親知らずが、いつ痛くなるのか前もって分かればいいのですが、そんなことはわかりません。
1995年から2002年まで、421人の患者さんで、676本の下の親知らずを調べた調査があります。
83%は症状がありませんでした。
症状のあったひとのうち、
18歳から34歳までが23%
35歳から49歳までが21%
50歳以上が5%
でした。ということは、年を取るにつれて症状が出る頻度が少なくなっています。
埋まっている方向にも差がありました。傾きが奥のものは、30%に症状がありました。傾きが前のものは、13%に症状がありました。
部分的に顔を出しているものは、23%に症状があり、完全に埋まっているものは10%に症状がありました。
(Fernandes MJ, et al: Incidence of symptoms in previously symptom-fee impacted lower third molares assessed in general dental practice. Br Dent J 207:1-6,2009)
前もって抜かないとしても、痛みの頻度が多くなったらやっぱり抜いたほうがいいでしょう。
親知らずを抜くのに、大学病院に行くのは面倒ですよね。
ひがし歯科では開院以来、特別に大学病院で抜いてもらうことなく、水平埋伏といわれる歯も普通に抜歯していますので、ご安心ください。
予約制ですので、予約をお願いします。そして、電話でわたしの親知らずはすぐ抜けますか?というご質問もご勘弁ください。実際に診ないとまったくわかりませんから。
最新のPiezoSurgery(mectoron)もありますので、可能な限り低侵襲で抜歯処置が可能です。
どういう場合は抜歯できないのですか?
腫れがひどいときには抜歯できません。炎症の強いところは酸性に傾いており、酸性の麻酔が効きにくいからです。燃えているところをかき回したらよけいに燃えてくるのと同じです。
痛いときは焦って、きょう抜いてくれ!という気持ちになりますが、抗生剤と消炎鎮痛薬で炎症を押さえてからの方が、結局は痛む期間は短くなります。腫れたのには原因がありますから、腫れが急におさまることはありません。そういう時期なのだと思って、その時点でのベストを選択すべきでしょう。