治療について
口臭について
お口のにおいをさわやかに保つには
お口のにおいをさわやかにしたいですね。英語であまりにひどい口臭をDragon breathといいます。
うまい言い方だなぁと思いますね。日本ではそんな言い方はあまりききません。
口臭は、呼吸や会話のときに口から出る息が、第三者にとって不快に感じられるものと定義されます。しかし嗅覚は主観的なものなので、同じ人が同じにおいをかいでも体調や精神状態で受け止め方は異なりますし、慣れもありますので、自分のにおいを自分で確かめるのは難しいです。
よく聞くのは、息が臭いけど胃が悪いのかなぁ?ということですね(どうやら違うらしいけど)。
口臭は人口の50%が気にしている問題で、1年で10-30億円、ガムやミントキャンディーやほかのさわやかな息のための製品に使われています。口臭を気にされる方が非常に多いということです。歯の色や形とともに、息もさわやかなほうが社会的にうまくいくということの現れでしょう。
口臭の原因は90%は口の中にあるようです。食片の蓄積や口腔衛生不良、舌の衛生不良、歯周病、虫歯、口腔乾燥症などが原因です。まずはしっかりブラッシングしてください。歯科医院でお口の検査をするのが一番近道だと思います。舌は舌背からが多いようです。
口臭の原因物質である揮発性硫化化合物VSCsが出来ないようにするには、クロルヘキシジン、塩化セチルピリジウムも効きますので、それが配合された歯磨剤や洗口剤も効果的です(Armstrong,B Halitosis: A Review of Current Litrature. JDH 84: 65-74, 2010)
ちなみにVSCsは、卵の腐ったにおいがする硫化水素、血なまぐさい、魚の腐ったにおいのメチルメルカプタン、生ゴミのようなにおいのジメチルサルファイドという3種類のガスからなりたっています。この割合は、口臭の原因によってかわります。
90%が口の中に原因があるとしたら、のこりの10%はどこからのでしょうか?口以外の感染症、疾患でのニオイが血流で肺に運ばれて、肺から鼻や口に呼気が出ますのでそのニオイです。
どうやって調べたらいいのでしょうか?
官能試験など口臭の原因となる揮発性硫黄硫化物を調べる機械がありますが、そんな大げさなことをしなくても、歯周病検査をやってもらえば、検査時の出血と、官能試験は高い相関を示すので、目安になります(Romano, F., Pigella, E., Guzzi, N., Aimetti, M.: Patients’ Self- Assessment of Oral Malodour and Its Relationship with Organoleptic Scores and Oral Conditions. Int J Dent Hygiene 8: 41-16, 2010)
ニンニクのニオイはうがいで消える?
ニンニクの臭いは、はみがきやうがいでは消えません。ニンニクの匂いの物質は、肺から呼気として出ています。しかも16時間という長い間臭います。口だけではなく、汗腺からも出ますので、仕事やデート前には、避けたほうが無難な食材でしょう。
タバコの後はガムがよい?
例えばミント味のガムなら、ミント自体が匂いが強いですから、口の中でタバコのタールと混じりあってさらに深いな口臭を作り出すこともあります。水でうがいをするほうがいいです。
臭いを消すにはお茶と水どちら?
水や氷を口に含むと温度が下がるので、口臭の元になるガスの発生が減り、口の中の乾燥も防げます。お茶はカフェインが入っていますので、緊張状態で口の中が乾きやすくなるので、水に比べたらよくないかもしれません。