治療について
歯が抜けたらどうするの?
乳歯が抜けたらどうしますか?
いい本があります。「歯が抜けたらどうするの?」。
Selby B. Beeler (著), G.Brian Karas (著) 出版社: フレーベル館
おもしろいです。絵もいいし。患者さんに人気で医院のはボロボロになったので、いま3冊目です。
日本は、むかしから、上の歯が抜けたら、縁の下に投げる。下の歯が抜けたら、屋根にほうりあげる。新しい歯は古い歯のある方に伸びると考えられていたので、新しい歯がまっすぐ生えるように、反対側に放り投げるんですね。なんでも屋根の上ではありません。今となっては、マンション住まいだと屋根も縁の下もありませんので、ちょっと感覚がずれてはいます。
アメリカでは、抜けた歯を枕の下におく。寝ているうちに歯の妖精が歯を持っていって、お金をおいていく。
中国では、上の歯は布団の下におく。下の歯は屋根にのせる。そうすると新しい歯が生えてくる。
メキシコでは寝る前に、抜けた歯を箱に入れてベットの横におく。魔法の国のネズミが歯を持っていって、お金をおいていく。前歯が抜けると他の歯のときよりもたくさんお金をくれる。
こんなのが楽しい絵入りで説明されています。
乳歯から永久歯への交換のときは、自然におうちで脱離する場合が多いのですが、なかにはどうしても抜けなかったりすることがあります。そういうときははいしゃで抜きます。いい匂いのする表面麻酔をつけてから、麻酔しますので、痛くないですよ。
あまり早くに抜けてしまったら、すきまができて、ほかの歯が移動し始めます。そうすると下にある永久歯が生える場所がなくなりますので、間を確保する、「保隙装置」というものを入れる必要があります。家で抜けても定期検診の時にはチェックしてもらいましょう。
さて、こどもの歯の治療についてどうお考えでしょうか?
小さなこどもを連れて行くことは大変なことです。
「絶対に行きたくない!」と泣かれると、ついつい市販薬でごまかしてしまいがちです。
昔は今治水(こんじすい)っていうのがあったなぁと思っているといまは新今治水というそうです。1898年からあるそうです。
それにも、「新今治水」は歯痛薬であり、虫歯治療薬ではありません。 虫歯治療は、早めに歯科医に行くことをおすすめします。と記されています。
よい薬ですが、一時しのぎです。むし歯は早めのほうが治療が楽になります。
このままにしておいたら、どんなことになるかな?と一緒に考えてみるとよいでしょう。