歯科医 東のウェブログ
ホルモンの変動は炎症に影響する
Hormone fluctuations impact inflammation
Becerik, S., Özçaka, Ö., Nalbantsoy, A., Atilla, G., Celec, P., Behuliak, M., Emingil, G.: Effects of Menstrual Cycle on Periodontal Health and Gingival Crevicular Fluid Markers. J Perio 81: 673-681, 2010.
1948年、スイスのMuhlemann博士が、歯肉炎の女性がちょうど月経前に、炎症が増加して、歯肉溝滲出液(GCF)が増加するということを組織学的かつ臨床的に示した。歯肉組織にはアンドロゲン、エストロゲン、プロゲステロンのレセプターがあり、それは炎症を引き起こす。
トルコのIzmirのEge大学の研究者が、50人の若い女性で完全な月経周期の間に、モニタリングして、BOP, GCF, エストロゲンとプロゲステロンの唾液中のレベルを調べた。半分が臨床的に歯肉炎であり(BOP50%以上)、残り半数が、臨床的に健全である(BOP10%以下)。検査は3つの時点(月経中、排卵時、月経前)で計測した。
BOPの平均は歯肉炎グループでは、月経中と排卵時に60部位あったものが、月経前には40部位に減少した。健全グループでは、3つのポイントでの記録に有意差は認められなかった。唾液中のエストロゲンとプロゲステロンのレベルは排卵時と月経前は高く、月経中は低かった。歯肉溝滲出液は健康グループと比べて歯肉炎グループが少し高かったが、3つの時期でスコアは変わらなかった。歯肉炎グループの歯肉溝滲出液中の炎症反応を促進するサイトカインのIL-6レベルは、3つの時期ですべて、健全歯肉グループと比べて上昇した。
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