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歯周病は関節リウマチに影響する
Animal model shows perio influence on arthritis
Bartold, P., Marino, V., Cantley, M., Haynes, D.: Effect of Porphyromonas Gingivalis-Induced Inflammation on the Development of Rheumatoid Arthritis. J Clin Perio 37: 405- 411, 2010.
臨床的観察といくつかの調査研究によれば、重度の関節リウマチ患者は、重度の歯周病であることが多く、逆も言える。歯周病の感染と炎症は、滑膜外、骨関節の外であると考えられる。ある身体の部分の炎症反応がどのようにして、ほかの身体の部分に影響するのかということに多くの口腔と全身の関連の研究が集中している。歯周病と関節リウマチは似たような病因論を共有している。
オーストラリアのアデレード大学の研究者が、実験的に関節炎をつくったラットで、歯周病原菌感染の影響を測定する研究をした。ポリウレタンの発泡スポンジに無菌食塩水をしみ込ませたものと、あとひとつは熱殺菌されたポルフィロモナスジンジバリスをしみ込ませたものを用意して、ラットの上腕部分に外科的に埋め込んだ。研究は、6つのテストグループで、それぞれに6匹のラットを使った。グループ1,2は、35日間無菌食塩水のスポンジとPgのスポンジをおいた。グループ3、4はグループ1,2と同じだが、こられのグループは、尾の付け根にMycobacterium tuberculosisを注射した。Mycobacterium tuberculosisは14日以内に関節炎を引き起こす。2種類の濃度がそれぞれのグループで使われ、そのため4つのグループで関節炎を作ることが出来た。
35日後に埋入されたスポンジは除去され、解析後、無菌食塩水スポンジと比べて、Pgスポンジは有意に炎症を引き起こしていた。ラットの後ろ足を観察すると、Pgスポンジと関節炎ラットでは、重度の腫脹と発赤が認められた。
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身体の別の部位にPg感染があると、リウマチ関節炎は増悪する。