歯科医 東のウェブログ
口腔衛生とカンジダ感染の程度
Oral hygiene and Candidacolonization
Darwazeh, A., Hammad, M., Al-Jamaei, A.: The Relationship Between Oral Hygiene and Oral Colonization with Candida Species in Healthy Adult Subjects. Int J Dent Hygiene 8: 128-133, 2010.
口腔乾燥症、義歯やほかの可撤式装置の装着、HIV感染、日和見感染、薬物治療など、いくつかの要因がカンジダアルビカンス(Candida Albicans)の増殖に影響している。口腔衛生不良がカンジダのコロニー形成に影響する要因であると長い間疑われてきた。
ヨルダンのイルビドのヨルダン大学の研究者がリンステクニックを使って、149人の健康な人で義歯を装着しているひとの口腔内のカンジダのレベルを測定した。口腔衛生状態と歯肉炎スコアと、カンジダの存在と寒天培地でのコロニー形成単位数を比較した。
プラークスコアは、very good, good, poor, very poorの4段階にわけた。
歯肉炎スコアも4段階で、no inflammation, mild, moderate, sever infflammationにわけた。
高いコロニー形成率は、デンタルフロスを使用しない人と喫煙者に認められた。
ほかの文献と同じく、カンジダは患者の58%から分離された。ほかのレベルの文献は52%から59%であった。
口腔衛生状態はカンジダレベルと有意な関係はみとめなれなかった。
加齢がカンジダのコロニー形成と有意に関係があったが、男女差はなかった。タバコの芳香族炭化水素が酵母細胞の栄養分となるので、喫煙との関連が説明できるかもしれない。さらに喫煙は酵母菌の成長を加速させる唾液中のグルコースを増加させるかもしれない。
カンジダのコロニー形成を調べるために、口腔衛生より、全身の健康状態や薬物療法や矯正治療のリテーナーや義歯などの多くの要因を考慮しなければならない。
---
口腔のカンジダのコロニー形成は、口腔衛生がよい場合よりも、口腔衛生が悪い場合でもあまりかわらない。ふつうは年齢と義歯が原因ということだなぁ。