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バイオフィルム形成におけるキシリトールの効果
The effect of xylitol on biofilm formation
Badet, C., Furiga, A., Thébaud, N.: Effect of Xylitol on an In Vitro Model of Oral Biofilm. Oral Health and Preventive Dent 6: 337-341, 2008.
バイオフィルム形成の最初の段階は、歯の表面の唾液中のたんぱく質と酵素の形成である。酵素はグルコシルとランスフェラーゼとフルクトシルトランスフェラーゼである。細菌が引きつけられ、微小コロニーを形成し、急速に増殖する。虫歯や歯周病を伴ったバイオフィルムはコントロールするのが難しい。浮遊している細胞をコントロールできる化学薬品は、組織されたバイオフィルムには効果的ではない。研究者が細菌が歯の表面にコロニーを作るのを防ぐための抗接着化合物を開発した。キシリトールはミュータンスストレプトコッキの成長と酸産生を阻害する非齲蝕原性の甘味料として有望な分子であると考えられている。
フランスのボルドーにあるVitor Ségalen大学の研究者がキシリトールと生理食塩水のバイオフィルム形成における効果の比較実験をした。虫歯と歯周病を伴う細菌はバイオフィルム中で増殖した;
:M streptococci, S sobrinus, L rhamnosus, A viscosus, P gingivalis and F nucleatum.
嫌気性培養の前に、バイオフィルムのサンプルは1%または3%のキシリトールと、生理食塩水で処理して、残りはコントロールとした。
生理食塩水で処理したバイオフィルムは、コントロールバイオフィルムと同じ厚さと細菌増殖を示した。キシリトール処理のバイオフィルムは、凝集しなくて、4種類の細菌はまったく回復せず、ほかの2種類は有意に減少した。
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キシリトールは、虫歯菌の酸産性能と細菌がバイオフィルムを作る能力を減少させる。
キシリトールは虫歯予防にも歯周病予防にも有効である。