歯科医 東のウェブログ
宿主の調整の新しい方向
New directions in host modulation
Bhatavadekar, N., Williams, R.: New Directions in Host Modulation for the Management of
Periodontal Disease. J Clin Perio 36: 124-126, 2009.
30年以上の研究が歯周病の病因論に加えられた。細菌が、上皮細胞を通過して免疫応答を起こす毒素を産生する。白血球、特に好中球が遊走してきて、細菌を貪食し、その過程で健康な結合組織は破壊されてしまう。それは感染が起こって、白血球が遊走した部分だけで起こる。
研究者が、炎症を寛解させるために好中球を遊走させ、特定の行動を起こさ、特定の分子を働かせる特定の生化学的経路を分離した。急性炎症は、組織を守るために消散させなければならない。2つの消炎因子がみつかった。レソルビンとプロテクチンである。これらの内因性の分子は細胞を活性化させて消炎する。消炎作用はこれら内因性の分子が組織から消失したところに、好中球が最大に浸潤したところから起こる。
炎症をブロックする方法と薬剤は、抗炎症薬である。他の方法は免疫応答を制御して、消炎のカスケード反応に影響を与えて、消炎反応を起こさせる方法である。例えば、消炎物質の導入すると、歯肉溝と組織において細菌の食餌を除去する変化を起こさせる、だから炎症を起こす細菌を除去することになる。
ただの消炎剤よりも消炎を促進させる薬剤が進歩したのでより早く健康な組織にもどるカスケード反応が可能かもしれない。さらに、消炎物質の前駆体の検索のために、新しい指標が開発され、消炎のサインを測定することによって、炎症の程度を測定することができるようになるだろう。
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ただ単に炎症をブロックするだけではなくて、消炎反応を促進させる物質と歯周病治療が発展しています。歯周病は虫歯と違って、進行の仕方が違います。歯とはぐきの間に細菌が増えると、身体は好中球を出して、細菌を処理します。それでも間に合わなければ、マクロファージやリンパ球で処理します。これらは、免疫反応の担い手ですので、あまりに細菌が多いと、サイトカインなどで身体に退去命令?を出しますので、歯とはぐきの奥にある骨(歯槽骨)を溶かす細胞(破骨細胞)が活性化して、骨が溶けて、避難完了となりますが、歯とはぐきの間の溝がさらに深くなってしまうのです。なかなか面白い分野でどんどん発展しています。