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糖尿病の合併症
糖尿病の合併症の例。
歯周病は糖尿病の第六番目の合併症である。糖尿病のひとの死因の第一の原因は、心臓血管疾患であり、糖尿病患者は3倍リスクが高い。最近の研究によれば、HbA1cが1%増加すると、心臓血管疾患のリスクが18%増加する。
以下は、重度の歯周病と糖尿病がある62歳の日本人女性の診断と治療のケースレポートである。10年前に糖尿病であると診断され、毎日インスリン注射を受け、歯周病以外の糖尿病の合併症は認められなかった。喫煙者で、高血圧治療と高コレステロールの治療のために服薬していた。
口腔内は、歯の欠損が数本あり、前歯はフレアー状態であり、重度の動揺度のある歯の周囲に重度の歯槽骨欠損がはっきり認められた。プラークレベルと歯石沈着レベルは、全顎的に高かった。外科と口腔衛生指導を含む歯周病治療が行われた。歯周病治療の後、HbA1cレベル、コレステロールレベル、高血圧に改善が認められた。
患者はその後、歯周病メンテナンス治療を受けながら、4年間安定状態を保っていた。
その後、心筋梗塞になった。この間に、HbA1cレベルが悪化し続け、歯周病も進行した。冠動脈バイパス形成手術の後、歯周病メンテナンス治療も再度開始され、全身マーカーは改善した。これらのリスクファクターをクラスタ分析すると、心臓血管疾患の発症と関係が認められた。
Shimoe, M, Yamamoto, T., Iwamoto, Y., Shiomi, N., Maeda, H., Nishimura, F., Takashib, S.: Chronic Periodontitis with Multiple Risk Factor Syndrome: A Case Report. J Int Acad Periodontol 13: 40-47, 2011.
2012-03-08