歯科医 東のウェブログ
プロバイオティックの効果
食品でお口の中の菌をよくする方法の話。
ミントキャンディやガムの形にした経口プロバイオティックは、虫歯の部分に、健康によい細菌を増やす。ゴールは、口腔内細菌叢のバランスを健康な菌叢に変えることである。
ラクトバチルス・ ロイテリ(Lactobacillus reuteri)は、健康なヒトの腸内細菌である。1960年に微生物学者のゲルハルト ロイター(Gerhard Reuter)により分離され、その名にちなんで、ロイテリと名付けられたのだが、虫歯や歯周病の引き起こす有害な口腔内細菌を殺すことができる抗菌性物質を産生する。
ヒューストンのテキサス大学の研究者が、経口プロバイオティックを利用すると、被験者が歯を磨かなくても歯肉炎を起こすことを予防できるかどうかを調べた。
被験者は、53人の成人。
ベースラインデータは歯肉炎指数、プラークインデックス、唾液検査。
被験者は全員クリーニングを2週間歯磨きをせずに、毎日1回割り当てられたガムを咬むように指導された。被験者の26人がラクトバチルス・ ロイテリ(Lactobacillus reuteri)入りのガムを与えられ、残りの27人がコントロールで、プラセボのガムを与えられた。被験者も、術者もどのガムが割り当てられてられたのかを知らされていなかった。
2週間の時点、4週間の時点で、両グループとでは、プラークレベルと歯肉炎指数に有意差があった。
臨床指標では有意差を認めなかった。
コントロールグループでの唾液サンプルは、ラクトバチルス・ ロイテリ(Lactobacillus reuteri)は陰性であった。テストグループでは40%がラクトバチルス・ ロイテリ(Lactobacillus reuteri)陽性であった。
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1日1回では効果がなかったのかもしれない。
Tran, L., Flaitz, C., Rigney, T., Tribble, G., Katancik, J.: The Effects of the Probiotic, Lactobacillus reuteri, on Experimental Gingivitis. J Dent Res, Abstract 1533, 2012.
2012-06-20