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バイオフィルムは天然歯で早く増える
歯と総義歯の人工歯とのプラークの付着の違い。
バイオフィルムは粘液多糖類中に多数の細菌集まったもので構成されており、3つのものに影響をうける。接着面、バルク流体、細菌の種類。
歯肉縁上プラークの再形成のサンプルは、お口が健康なヒトも歯周病のヒトも類似している。
歯肉縁下での再形成はのサンプルは、両者では異なる。
マサチューセッツのケンブリッジのフォーサイス研究所の研究者が、天然歯と総義歯の人工歯において、クリーニング後のバイオフィルム再形成について比較した。表面性状と、歯肉溝滲出液の有無の違いの影響があるかどうか。
検査後に、歯周病のひとは1回の来院でフルスケーリングを行い、歯周病でないひとはクリーニングのみ。その後、被験者は7日間はみがき禁止。ランダムに決められたクアドラントから、1日目、2日目、4日目、7日目にそれぞれ7本からプラークを採集した。
41種の細菌について、数と比率を算出した。
クリーニング前の、天然歯の歯肉縁上プラーク中の細菌数と総義歯の人工歯での細菌数は類似していた。調べた41種の細菌うちで、28の細菌に関して、天然歯の方が多かった。
クリーニング後、総義歯の人工歯上の細菌数より、天然歯上の細菌数のほうが早く増加した(2日でベースラインに達した)。
バイオフィルム再形成は、義歯より天然歯上のほうが、有意に早かった。
天然歯において、第1日目と第2日目は、S. mitisとS. oralisが有意に増加した。義歯の人工歯において、7日以上では、S. gordoniiが有意に増加したが、天然歯では増加しなかった。
天然歯でのバイオフィルム形成は、義歯においてより、複雑である。
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歯肉溝滲出液があるので、天然歯の方が総義歯の人工歯より、バイオフィルム再形成が複雑になってしまう。
Teles, F., Teles, R., Sachdeo, A., Uzel, N., Song, Z., Torresyap, G., Sigh, M., Papas, A., Haffajee, A., Socransky, S.: Comparison of Microbial Changes in Early Redeveloping Biofilms on Natural Teeth and Dentures. J Perio 83: 1139-1148, 2012.
2013-02-15