歯科医 東のウェブログ
はみがき上手になるために
ブラッシングの目的はプラーク除去です。
ドイツの先生のはみがき指導の話。
はみがきの頻度とはみがきの効果は違う。はみがきをしたからといって、実際にプラークが除去できているとは言えない。
過去の研究では、35歳から44歳のドイツ人の70%以上が1日2回ブラッシングしている。
磨き残しがゼロのひと(PI=0)は2%だけである。磨き残しが多い人(PI=3)のひとは24%にも達していた。さらに99%に歯肉炎があり、53%に歯周病があった。
ブラッシングの回数が問題ではなく、あきらかにブラッシング技術の問題である。
ジュッセルドルフのハインリッヒハイネ大学の研究者が、ブラッシング指導を比較した。
1)標準的な指導。ブラッシングのパンフレット(フロスの使用法とバス法)と模型説明
2)ブラッシングのパンフレット(フロスの使用法とバス法)のみ。
3)ブラッシングのパンフレット(フロスの使用法とバス法)と自分の口での指導
4)一般的な健康について(日焼け防止等)のパンフレット(コントロールとして)
被験者はひとりでパンフレットを読んだ。
(1)標準的な指導グループは、同じ説明パンフレットを渡されたが、模型で説明を受けた。
(3)個別指導グループは、ブラッシングの欠点を改善できるように注意を払って、各自の口で直接説明を受けた。
ベースラインと4週後に、被験者がブラッシングした後に、プラークスコア(PIとMPI)とPBI(Papillary bleeding index;Saxer and Muhlemann 1975;Marks et al.1993)を測定した。
すべてのグループでプラークスコアとPBIが減少した。コントロールグループは他の3グループほどスコアの減少は認められなかった。(3)個別指導グループが一番プラークスコア、PBIが減少した。
Harnacke, D., Beldoch, M., Bohn, G., Seghaoui, O., Hegel, N., Deinzer, R.: Oral and Written Instruction of Oral Hygiene: A Randomized Trial. J Perio 83: 1206-1212, 2012.
2013-01-30