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虫歯菌の母子感染2
虫歯菌の母子感染の話。
ミュータンスの母子感染を予防するためにキシリトールを甘味料としたガムを母親が利用することは効果があるかどうか。スエーデンの研究者が、被験者を出産後の母親で、3種のガムで比較。
ガムの成分を3種。
1)キシリトール
2)クロルヘキシジン+キシリトール
3)フッ化ナトリウム
被験者は、ストレプトコッカス・ミュータンスレベルの高い母親173人で、3つのガムのうち1つを割り当てた。ミュータンスレベルが低いから中等度の母親は、ガムを咬まないコントロールグループとした。子供が6ヶ月の時点で母親がガムを使い始めて、18ヶ月まで継続した。ガムは1日3回5分間咬む。
子供の唾液とプラークのミュータンスレベルを測定した。
18ヶ月の時点で、キシリトールガムグループの10%がストレプトコッカス陽性であった。
クロルヘキシジン+キシリトールグループは、16%陽性。
フッ素グループは28%陽性。
コントロールグループは、10%陽性。
キシリトールは、ストレプトコッカス・ミュータンスレベルの高い母親の母子感染のリスクを、ミュータンスレベルの低い母親と同じくらいまで下げる。クロルヘキシジンはキシリトールの効果をやや減弱させているように考えられるが、有意差は認められなかった。
Thorild, I., Lindau, B., Twetman, S.: Effect of Maternal Use of Chewing Gums Containing Xylitol, Chlorhexidine or Fluoride on Mutans Streptococci Colonizations in the Mothers’ Infant Children. Oral Health Prev Dent 1:53-57, 2003.
2013-06-20