歯科医 東のウェブログ
ジェルと洗口液
インプラント周囲炎とクロルヘキシジンの話。
インプラント周囲粘膜炎は、インプラント周囲の辺縁組織での可逆的な感染症である。特徴は、出血、腫脹があり、骨吸収のない炎症である。治療を受けなければ、インプラント周囲炎に移行し、不可逆的な骨吸収が起きる。
クロルヘキシジンのジェルや洗口液は、この感染症をコントロールするのによく使用される。
ミラノ大学の研究者が、インプラント周囲粘膜炎の患者23人を被験者に、1%クロルヘキシジンジェルと、0.2%のクロルヘキシジン洗口液を比較した。インプラント部位がBOP(+)で、プラーク(+)で骨吸収を認めた。被験者は、43歳から87歳で、平均62歳であった。被験者はSRPを受けて、無作為にジェル(13人)と洗口液(10人)を割り当てられて、1日2回、10日間使用するように指導された。
臨床検査を10日、1ヶ月、3ヶ月の時点で行った。
10日の時点で、両グループともプラーク、BOPとも有意に減少した。ジェルグループの70%の部位と、洗口液グループの90%の部位が治癒した。治癒した部位は3ヶ月間通して安定していた。
グループ間に有意差は認めなかった。
この研究ではアメリカでの典型的な洗口液の0.12%より濃度が高い0.2%のものを使用している。
ジェルは局所塗布となるが、洗口液は口腔内全体に行き渡る。
De Siena, F., Francetti, L., Corbella, S., Taschieri, S., Del Fabbro, M.: Topical Application of 1% Chlorhexidine Gel Versus 0.2% Mouthwash in the Treatment of Peri-Implant Mucosisit. An Observational Study. Int J Dent Hygiene 11: 62-68, 2013.
2013-05-27