歯科医 東のウェブログ
唾液腺機能低下のサイン
唾液腺機能低下かどうかを見分ける方法。
唾液腺機能低下により、虫歯、歯周病、粘膜炎、口角炎、味覚変化などが起こる。
「ドライマウス」という言葉は、1868年に文献に初めて登場した。「口腔乾燥症」は1889年。
口腔乾燥症の患者50人を被験者にした研究で、唾液分泌率測定が標準化されたのは1968年であった。
1987年、唾液分泌テストを必要とするひとを選別するのに、ドライマウスに関する問診が使われるようになった。
ペンシルベニア大学歯学部の研究者が、唾液分泌の判定についての研究を行った。被験者は、19歳から82歳(平均52歳)で、71名(男性23名、女性48名)。被験者は、概日リズムの影響を考慮して、1日のうち時間をずらして3回、唾液分泌テストを受けた。ひとりに各テストで64回計測を行った。
口唇の乾燥度、頬粘膜の乾燥度、唾液貯溜量、唾液腺機能亢進度、舌、歯周組織とDMFTの検査を行った。刺激時唾液、安静時唾液を採取した。唾液は左右両方の耳下腺から採取した。
唾液腺機能低下の診断は、唾液分泌率の測定で行われる。
この研究により、他の測定値は唾液腺機能低下の原因であるということは言えないが、唾液腺機能低下であるひとを確実に予測できることが示唆された。口唇の乾燥、頬粘膜の乾燥、唾液腺の触診、DMFT値は、唾液腺機能低下検査の結果とうまく一致する。
Navazesh, M, Christensen, C., Brightman, V.: Clinical Criteria for the Diagnosis of Salivary Gland Hypofunction. J Dent Res 71 (7): 1363-1369, 1992.
2013-05-24