歯科医 東のウェブログ
砂糖の滞留時間
ショ糖のクリアランスは?
口腔内からのショ糖の唾液クリアランスは、虫歯のリスクを減らすために重要である。
2mLの酸を1分間保持したときの分泌唾液の総体積の変化を研究した。酸刺激がある間に、唾液分泌率が変化するかどうかは決められなかった。
カナダのウィニペグのマニトバ大学の研究者が、ショ糖、塩化ナトリウム、シュウ酸の刺激時の唾液分泌率の変化の測定方法を改良した。
被験者は12人の若者。男性6人、女性6人。口から、唾液分泌が0.01mL単位で測定できるビーカーに、唾液が流れるようにした。3種類のテスト液(ショ糖、塩化ナトリウム、シュウ酸)を液体で口腔内に入れて、3分後に除去した。水を含んで唾液分泌が安定するまでをウォッシュアウト期とした。
テストの間は5分間隔をあけた。同じテスト液は、濃度の高低で2回テストしたので、被験者ひとりにつき6回テストを行った。
味刺激と最大分泌量との時間差は9.4秒であった。このことから、味刺激が続いているにもかかわらず、流速の半減期は11秒であった。唾液分泌率と3つの味刺激との間には、有意差は認められなかった。
ショ糖に関しては、唾液流量が減少し、ショ糖のクリアランスは遅かった。25分から45分。
Clinical Implications: These findings show full salivary clearance of sugar takes 25 to 45 minutes.
Dawes, C., Wantanabe, S.: The Effect of Taste Adaptation on Salivary Flow Rate and Salivary Sugar Clearance. J Dent Res 66(3): 740-744, 1987.
2013-05-14