歯科医 東のウェブログ
カレーとマウスリンス
カレー味のマウスリンスの話。
歯肉炎の治療のためのマウスリンスのゴールドスタンダードは、クロルヘキシジンである。副作用の着色と味覚障害があるため、製品として使うためのコンプライアンスを得ることが難しい。
消費者は、合成化学物質より、天然産物を探している。クルクミンは、黄色で、香辛料のウコン(ターメリック)の有効成分であり、マウスリンスとして使用できる抗炎症作用、抗酸化作用、抗菌作用を備えている。
インドのプネーのラングーワラ歯科大学の研究者が、クルクミンのマウスリンスと0.2%クロルヘキシジンのマウスリンスを歯肉炎患者で比較した。テストグループは、3グループ(1グループ10人)で、ベースラインでSRPを受けた。コントロールグループは、マウスリンスを使用しない。
グループ1(0.2%クロルヘキシジン)
グループ2(20%クルクミン)
グループ3(コントロール)
マウスリンスはブラッシング10分後に、1分間、1日2回行う。7日目、14日目、21日目で、プラーク指数、歯肉炎指数を記録した。
7日目、3グループとも歯肉炎指数が有意に改善した。
14日目、21日目、2つのマウスリンスグループは、コントロールグループより歯肉炎指数が改善した。
プラーク指数は3グループとも同じだった。
クルクミンのマウスリンスは、クロルヘキシジンの代用になるかもしれない。確定には長期研究が必要。
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カレーの会社や二日酔い用のウコンの会社からもマウスリンスが登場するかも。ガリガリ君の歯磨き粉も出たことだし。
Muglikar, S., Patil, K., Shivswami, S., Hegde, R.: Efficacy of Curcumin in the Treatment of Chronic Gingivitis: A Pilot Study. Oral Health Prev Dent 11:81-89-6, 2013.
2013-08-13