ひがし歯科

ひがし歯科への診療予約は06-4809-0008まで。月曜日~金曜日は9時~20時まで受け付けております(土曜日は13時まで、日祝は休診です)。

治療について

歯周病の予防と治療

歯を失う原因の1位は、虫歯ではなくて、歯周病です。

何歳で歯が何本残っているひとが多いのでしょうか?
自分の歯でいつまでもおいしく食べたいです。平成17年の歯科疾患実態調査をみてみましょう。


40歳を超えたときから、歯を失うことが多いことがわかります。
なんでもおいしくたべることを口福というひともいますが、歯を失ったら、いままで無意識の作業だった食事が非常に制限を受けることになります。対策を打つべきです。
右が痛いから避けて、左で食べよう。前歯が揺れているので、奥歯で噛みきろうなどと考えてする食事はほんとうに味気ないものです。

患者さんから、虫歯はありませんか?虫歯は大丈夫ですか?とよく聞かれますが、
歯周病は大丈夫ですか?というのは、とても少ないです。

歯周病ってどういうものですか?

抜歯の原因の第一位の病気(8020財団,2005)であり、

日本人の成人の約8割が歯周病またはその予備軍です。
2001年のギネスブックに

MOST COMMON DISEASES The world's most common diseases are periodontal conditions such as gingivitis(inflammation of the gums). Across the planet, few people manage to escape their symptoms.
とあります。世界中の誰もが罹患しているということです。

虫歯は虫歯菌の作り出す酸で歯が溶けます。歯周病は、ちょっとしくみがややこしいです。
歯周病菌が歯と歯ぐきのすきま奥深くまで入り込み、最初は菌をやっつけようとするのですが、あまりに菌が多すぎると、免疫応答で身体自身が、その菌から逃れるために、歯槽骨を溶かす細胞を活性化させるので、骨が溶けてしまうのです。

歯周病は初期段階では自覚症状はほとんどありません。
進行すると、周りの骨が溶けていますから、その部分にばい菌のすみかができてしまって、歯ぐきからの出血や、歯のぐらつき、口臭などの自覚症状が出てきます。最終的には虫歯ではないのに抜歯になります。

歯周病の進行度

歯周病は大きく分けて軽度、中度、重度の3つに区分することができます。
健康な人は、現状を維持するために、定期的にチェックします。メンテナンスといいます。無理やり日本語に直すと、維持療法ということです。

軽度の人は、歯周基本治療といわれる、歯ブラシ指導、歯石除去、咬み合わせ治療などを行います。

中度の人はどうでしょうか。中度の人ほど治療に差が出ると考えてください。なぜなら、それには専門治療がからむからです。具体的には、歯周組織再生療法、歯周形成外科手術のような、歯周病で溶けてしまった骨や歯肉を再生する治療が関係するからです。なにも特殊な治療ではないのですが、しっかりした治療をしていないところでは、実施できないからです。

重度となると、抜歯するのがベストということになります。なんでもかんでも残せばよいというわけではなくて、歯周病が進行しすぎて、炎症を止めることができない場合は、どんどん歯槽骨が失われます。日々身体を削っているといってもいいでしょう。そういう場合は、抜歯して、義歯やインプラントをするほうが、歯槽骨を保存できますのでメリットは高いです。抜歯せずに放置すると、中等度だった隣の歯まで重度に移行してしまいます。気持ち的には抜きたくないというのはありますが、整理して考えると抜歯したほうが残りの歯が長持ちするということがあることは覚えておきましょう。

歯周病検査

 歯の周りの骨(歯槽骨)が溶けていないか、レントゲンおよび直接器具で測定します。その時にはぐきからの出血があるかどうかではぐきの中に炎症があるかどうかをチェックします。さらにかみあわせがあっていないと、そこから歯周病が進行しやすいので、チェックします。

地味な検査ですが、必ず必要です。たまにいままで検査せずに歯石をとってもらっていたと言われる方がありますが.....。
 歯周病治療は初期段階ほど効き目がありますので、定期的に検査をするほうが結局お得です。

歯周病治療は初期段階ほど効果があります

歯周病菌の繁殖しやすい部分を、繁殖しにくいようにします。歯石をとったり、適合のよくない詰め物をやりかえたりします。これだけでも初期の段階ではかなり効果があります。
地味ですが、たいした費用も時間もかからず、効果ある方法です。

歯についた歯石を除去します(スケーリング)、除去後の歯の表面はざらついていますので、歯の表面を滑沢にします(ルートプレーニング)、これを担当するのが歯科衛生士です。

再生療法

歯周病で溶けてしまった骨を再生することは、骨折と違ってなかなかうまくいきませんでした。お口の中は安静に保てないですものね。

歯の周りの骨の再生を促すエナメルマトリックスタンパク質が開発され、骨そのものを再生させることが可能になりました。外科処置で該当部位に塗布して、歯の発生したときと似た環境を再現する方法です(Hammarstrom 1997)。

この手技はの歯周外科手術以上に医師の技術や知識に左右されやすいです。当医院では海外の学会から最新の情報と手技を取り入れて10年前からやっていますので安心です。
(Hammarstrom, L. Enamel matrix, cementum development and regeneration. J Clin Periodontol 1997,;24:658)
(Hammarstrom, L, Heijl, K, Gestrelius, S. Periodontal regeneration in a buccal dihiscence model in monkeys after application of enamel matrix proteins. J Clin Periodontol 1997;24:669)

タバコと歯周病

 最近、喫煙者の方は肩身が狭いですね。吸える場所が減ってきています。それどころか、受動喫煙とまで言われて。そんなこと言われてもと思いますが。
 喫煙はお口にはどんな影響を及ぼすのでしょうか?歯科では歯周病検査といって、歯槽骨の溶け具合をチェックします。その検査値が狂うのです。検査時に出血すると、そこに炎症がある目印になりますので、早期に処置ができるのですが、喫煙者は歯周病検査時に出血しにくいので、初期症状が隠されたままなのです。どういうことか?歯周病の治療が一番効果のある初期の段階で発見されずに、いきなり中等度から重度になって、発見されるという恐ろしいことになるのです。時間も費用もかかります。

 喫煙、禁煙は個人の自由ですので、お口のために禁煙してくださいというのは、あんまり好きではないですけれど、喫煙する場合は、必ず定期的に歯科でケアを受けたほうがいいでしょう。ご家族が喫煙しているばあいは、症状がなくても歯周病検査を受けに行ってください!と勧めてください。

歯が抜けたらほんとうにたいへんですよ。その分の時間や費用を他にまわせますよ。

治療内容ここまで