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母乳で育てると歯並びがよくなる?
歯並びのよいこに育てるために。
WHOは生まれてから最初の6ヶ月間だけ母乳を推奨している。それは母親にも子供にも利点がある。母乳は頭蓋顔面の成長を促進させ、ゆびじゃぶりの習癖の予防にもなる。6ヶ月以下または全く母乳でなかったケースでは、不正咬合、とくに臼歯部のクロスバイトになっていることが示されている。乳歯列のクロスバイトは早く進み、めったに自分では修正できないので、早期の予防が望まれている。
ブラジルのSao Paulo市大学の研究者が、Sao Pauloの11の公立学校から1377人を臨床検査した。子供の年齢は3歳から6歳。母親が母乳だったかどうかのアンケートに答えた。
臼歯部のクロスバイトを3つに分類した。両側性、片側性、下顎の機能的な偏位を伴う片側性。母乳については4つに分類できた。母乳なし(119人)、6ヶ月以内(720人)、6ヶ月から12ヶ月(312人)、12ヶ月以上(226人)。クロスバイトは全体の16.2%であり、両側性が2.8%、片側性が4.4%、下顎の偏位を伴った片側性が9.4%であった。クロスバイトは母乳の期間が長くなるほど減少していた。母乳なしの子供は31.1%がクロスバイトだった。母乳が6ヶ月未満の子供は22.4%。6ヶ月から12ヶ月の母乳の子供は2.2%だった。
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少なくとも6ヶ月、12ヶ月以上は母乳のほうが歯並びにはいいようです。
Kobayashi, H., Scavone, H, Ferreira, R., et al. Relationship Between Breastfeeding Duration and Prevalence of Posterior Crossbite in the Deciduous Dentition. Am J Orthod Dentofacial Orthop 137: 54-58, 2010.
2010-10-27