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歯をすべて抜いても残る細菌
Aaは歯をすべて抜いても残ります。インプラントには要注意。
歯周病に罹患した口にインプラントを埋入すると細菌がインプラントのサルカスに移行してしまう。免疫応答により、インプラント周囲炎が起きたり起きなかったりする。
細菌培養をして口腔内の細菌の有無を調べて、歯をすべて抜歯すると歯周病原菌をなくすことができると報告されている。ポケットはなくなるので、歯周病原菌がなくなる。新しい微生物学的技術であるDNAテストを使って口腔内病原菌を検索すると反対の結果が示唆された。
ベルギーのルーベンのカトリック大学ルーベンの研究者が、フルマウスエクストラクションの前と、インプラント埋入後で口腔内の細菌を数種の方法で調べた。10人の重度歯周病患者が対象。5人がスモーカーで3人が女性、7人が男性、年齢は47歳から65歳。歯肉縁下と舌、唾液から細菌サンプルを採取した。培養とDNAテストを行った。
歯をすべて抜歯して、6ヶ月後インプラントを埋入した。3ヶ月から6ヶ月後にアバットメントを装着した。アバットメント装着後の1週間後、3週間後、12ヶ月後にプラークサンプル最終と臨床検査を行った。細菌レベルは抜歯する前より高かった。細菌数はインプラント埋入後は低かったが、同じ細菌は存在していた。2つの細菌レベル、AaとPiは以前と同じであった。インプラント周囲のサルカスは初めは汚染されていなかったが、1週間以内以内に常在種がコロニー形成した。細菌数はAaを除いてはとても少なかった。
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Aaは抜歯しても残るんですねぇ。
Quirynen, M., Van Assche, N.: Microbial Changes After Full- Mouth Tooth Extraction, Followed by 2-Stage Implant Placement. J Clin Perio 38: 5810589, 2011.
2011-08-27