歯科医 東のウェブログ
歯肉炎は内毒素血症を引き起こす
歯肉炎と内毒素血症の関係。
歯肉炎はエンドトキシンによって引き起こされる歯肉組織の可逆的な炎症である。エンドトキシンはグラム陰性菌の細胞壁の一部である。エンドトキシンは歯肉溝上皮を通過し、白血球遊走(特に好中球)を活性化させる等の身体の炎症反応を引き起こす。エンドトキシンは血流から全身にも移動する。
インディアナ大学歯学部の研究者が、歯肉炎研究に参加した黒人と白人の男女50人を対象に血中のエンドトキシン濃度を測定した。
3週間、被験者は歯肉炎を誘発させるために口腔清掃を中止した。3週間の時点で、被験者は口腔清掃を受けて、自分での毎日の口腔清掃を再開し、さらに2週間エンドトキシン濃度をモニターリングした。血液採取を、ベースライン、口腔清掃しなかった3週間後、口腔清掃を再開してからの2週間後で行った。
内毒素血症が、3週間の実験的に作った歯肉炎の血清中に56%に明らかに認められた。2週間後、内毒素血症のレベルはベースラインに戻った。好中球の活動性を測定した。3週間後は好中球のレベルは上昇し、2週間後にベースラインに戻った。エンドトキシンが陽性か陰性かを決めるために、エンドトキシンが陰性の被験者で、黒人の被験者に好中球の活動性が高かった。エンドトキシンが陽性の被験者では、女性に好中球の活動性が高かった。持続的な好中球の刺激は、歯周組織破壊を引き起こす。歯周病はさらに破壊的であるが、歯肉炎はそれを説明する初期の問題を示している。
Wahaidi, V., Kowolik, M., Eckert, G., Galli, D: Endotoxemia and the Host Systemic Response During Experiment Gingivitis. J Clin Perio 38:412-417, 2011.
2011-07-27