歯科医 東のウェブログ
歯周病のための唾液潜血反応
サンスターのペリオスクリーン
「ペリオスクリーン」は日本のサンスター社の新しい唾液の潜血テストである。紙のストリップスによって、コロイド状の金標識抗体を利用して、ヒトの唾液中のヘモグロビンを調べる。3mlの蒸留水で10秒間くちをゆすいで、カップに吐き出し、ペリオスクリーンテストストリップスを唾液サンプルに浸す。コロイド状の金標識抗体が唾液サンプルに溶け出しており、もし血液が存在していると、免疫複合体が形成され、毛細管現象によりストリップスに入っていき、マゼンタのラインができる。
日本の研究者が、久山町の2861人のレジデントのグループを対象に、ペリオスクリーンテストの所見と臨床検査とを比較した。臨床検査は、すべての歯の近心唇側、唇側中央のプロービング値とブリーディング値を測定した。スクリーニングテストは歯周病の程度を低く評価してしまうが、簡便である。被験者は歯科病歴、全身病歴について問診も受けた。
被験者の52%が4mm以上のPPDがなくて、60%がブリーディングが15%以下であった。
これに基づいて被験者を歯周組織が健康なグループと、健康でないグループに分類した。
合計1197人が健康でないと分類され、ペリオスクリーンでは861人が陽性で、336人が偽陰性であった。歯周組織が健康の被験者801人のうち、ペリオスクリーンは381人を陽性として、417人が陰性とした。
---
久々の日本人。これくらいの率だったら、普通に歯周病検査するほうがいいなぁ。
でも日本発だとちょっとうれしい。
Shimazaki, Y., Akifusa, S., et al: Effectiveness of the Salivary Occult Blood Test as a Screening Method for Periodontal Status. J Perio 82: 581-587, 2011
2011-07-21