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母親の虫歯リスクは子供に影響する
子供を虫歯にしないためには母親はどうしたらよいのか。
両親のお口の健康状態と子供のお口の健康状態には関係があるということは1946年に1150家族の子供たち3000人を調査して、報告されている。虫歯の率の高い両親をもつ15歳から19歳の子の虫歯の率は、虫歯の率の低い両親をもつ子の2倍であった。子供の虫歯のなりやすさには、両親の影響が大きいということは多くの研究で示されているが、母親の口腔内の健康の影響の方が大きい。
カリフォルニア大学の研究者が、サンフランシスコの160マイル南に位置するメンドータの農業従事者の179人の母親とその子供387人を対象に臨床検査した。80%の母親が自分の口の健康について、きれいかきれいでないかを答えもらったところ、いままで歯科でのケアを受けたことがあるひとは33%だった。6%の母親と19%の子供はいままで歯科受診経験がなかった。母親の1/3と、子供の85%が歯科保険に加入していた。
母親の46%に未治療の虫歯が認められ、DFSは13.5で、半分の割合である。子供(平均年齢が9歳で、0歳から17歳まで)の27%に未治療の虫歯が認められた。永久歯のDFSは4.3で、乳歯は13.5であった。
このグループの調整オッズ比は、1946年に報告されたものと似ていた。未治療の虫歯がある母の子供は、そうでない母親の子と比べて、2倍未治療の虫歯があった。
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子供の虫歯予防は、母親の治療から始まる。
Weintraub, J., Prakash, P., Shain, S., Laccabue, M, Gansky, S.: Mothers’ Caries Increases Odds of Children’s Caries. J Dent Research 89: 954-958, 2010.
2011-07-25