歯科医 東のウェブログ
歯周病と抗菌薬
歯周病にメトロニダゾールとアモキシリン
歯周病は基本は機械的に歯石除去を行いますが、抗菌薬を使うことがあります。
そのときの話。
メトロニダゾールは、慢性歯周炎の特徴である偏性嫌気性菌に対して効果的な抗菌薬である。
1980年代にVan Winkelhoffが、侵襲性歯周炎のAa感染に対して、メトロニダゾールとアモキシリンの混合抗菌薬の使用を提唱した。1990年代の後半にVan Winkelhoffの処方は、慢性歯周炎にも効果的である事が証明された。抗菌薬はSRPと併用する。
ブラジルのサンパウロのグアルリョス大学の研究者がSRP単独、SRP+メトロニダゾール、SRP+メトロニダゾール+アモキシリンの3つの方法を比較した。被験者を17人ごとにコントロールと2つのテストグループにわけた。被験者は全員浸潤麻酔下でハンドスケーラーでのSRPを4回から6回受けた。2つのテストグループは割り当てられた抗菌薬を14日間1日3回服用した。プラセボ薬が使用され、同じ処方で服用した。
歯周病検査と歯肉縁下のバイオフィルム試料を採取が、ベースラインと治療3ヶ月後に行われた。3つのグループともに有意に治癒を認めたが、3ヶ月の時点ではPPD5mm以上の箇所が認められた。SRPグループは、PPD5mm以上の平均数が40ヶ所で開始して、終了時は13ヶ所。メトロニダゾールグループは、35ヶ所から9ヶ所。混合グループが39ヶ所から5ヶ所となった。アタッチメントゲインは、SRPグループで、PPD7mmの部位で2mm。メトロニダゾールグループで、2.7mm、混合グループで3mmであった。
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抗菌薬は、非喫煙者で、慢性歯周炎なら、短期間のメリットはあるかも。
Silva, M., Feres, M., Sirotto, T., Soares, G., Mendes, J., Faveri, M., Figueiredo, L.: Clinical and Microbiological Benefits of Metronidazole alone or with Amoxicillin as Adjuncts in the Treatment of Chronic Periodontitis: A Randomized Placebo- Controlled Clinical Trial. J Clin Perio 38: 828- 837, 2011.
2011-11-28