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歯ブラシの寿命とプラーク除去率
歯ブラシはいつ交換したらよいのですか。
手用歯ブラシと電動歯ブラシとを比較して、プラーク除去率を測定する研究は多くあるが、プラーク除去により歯ブラシの耐久性の研究はあまりない。ひとつの理由が歯ブラシの摩耗測定の標準化がされていないからである。歯ブラシの摩耗は、ひとりひとり違うし、さらに推奨されている3ヶ月以上の使用をしているかによっても違う。
ブラジルのポンタグロッサ州立大学の研究者が、歯ブラシの毛の歯ブラシのヘッドからの開きを測定することで、歯ブラシの摩耗を調べた。摩耗の低度を3つに分類した。軽度、中等度、高度。被験者は110人の歯学部以外の大学生で、4ヶ月参加した。被験者を4グループにランダムにわけて、4週、8週、12週、16週でプラークと歯ブラシの摩耗を測定した。
被験者は新しい手用歯ブラシとプラスチックの歯ブラシカバーとコルゲートの歯磨剤を配布されて、一日3回フロスとブラッシングをするように指導された。ベースラインのプラーク指数と歯肉炎指数を記録した。被験者は決められたように検査に来た。
どの時点でも歯肉炎指数に有意差は認められなかった。唇側より舌側に歯肉炎が多く認められた。プラーク指数も実験中変化が認められなかった。唇側より舌側にプラークが多く認められた。歯ブラシの摩耗は16週を超えたところで増加したが、プラーク指数と歯肉炎指数には影響しなかった。
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歯ブラシの寿命や摩耗は、プラーク除去公立には重要ではないかもしれない。舌側のプラーク除去がおろそかにされていることの方が重要かも。といっても1年も歯ブラシを続けるような極端なことはよくないです。
Pochapski, M., Canever, T., Wambier, D., Pilatti, G., Santos, F.: The Influence of Toothbrush Age on Plaque Control and Gingivitis. Oral Health Prev Dent 9:167-175, 2011.
2011-10-24