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母親がキシリトールガム
キシリトールは虫歯の母子感染を予防するという話。
キシリトールは5炭素の非齲蝕甘味料である。
毎日キシリトールを摂取すると、ストレプトコッカス・ミュータンスの接着能を阻害する。
言い換えれば、ストレプトコッカス・ミュータンスは簡単にプラークから唾液中に放出されるということである。
フィンランドの研究者が169組の母子のペアを被験者にして、母親が毎日キシリトールを摂取する事がストレプトコッカス・ミュータンスの母子感染に関係するのかどうかを調べた。
母親を3グループにわけた。キシリトールガムを1日3回食べる。クロルヘキシジンバーニッシュを行う。フッ素バーニッシュを行う。バーニッシュは2年間6カ月毎に行った。
ベースラインデータは妊娠中に記録され、全員が唾液中のストレプトコッカス・ミュータンス数が高かった。
106人が出産3ヶ月後にキシリトールガムを始めた。2つのバーニッシュグループは、66人。
子供はなにも治療を受けなかった。ストレプトコッカス・ミュータンスは母親の唾液で2年間6カ月毎に測定した。母親の唾液中のストレプトコッカス・ミュータンスは3グループとも高いままだった。
子供が2歳の時点で、子供のストレプトコッカス・ミュータンスはキシリトールグループが最も低く
唾液中にミュータンスが認められたのが子供の9.7%であった。
クロルヘキシジングループは、29%で、フッ素グループが49%であった。
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子供が2歳になるまで、母親がキシリトール製品を使うと子供への母かららの虫歯菌の感染が減るかも。
Söderling, E., Isokangas, P., Pienikäkkinen, K., Tenovuo, J.: Influence of Maternal Xylitol Consumption on Acquisition of Mutans Streptococci by Infants. J Dent Res, 79:3, 882-887, 2000.
2012-06-27