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口呼吸と顔
口呼吸は顔面の成長にも影響するという話。
口腔内では、呼吸、吸啜、嚥下、咀嚼、会話という機能的なバランスが保たれている。顎顔面の発育においての口呼吸の影響はいまだ議論されている。骨は身体で2番目に硬い組織であるが、筋肉からの小さな連続的な力に影響を受けやすい。
口呼吸だと、舌の位置が口蓋から口腔底側になるので、下顎骨が低位になり、頸部筋と顔面筋が影響を受けて、歯列と顔面が変化する。
インドのラクナウの医科大学の研究者が、6歳から12歳の子供100人を対象にセファロのトレースを比較した。口呼吸は54人、鼻呼吸は46人。
顔面の成長に関して、鼻呼吸グループと口呼吸グループには、有意差が認められた。
口呼吸グループは、顔面高と下顎下縁平面角と下顎角が有意に増加した。
下顎下縁平面角に対する口蓋平面は口呼吸グループが大きかった。
鼻呼吸グループと比較して、口呼吸グループは、下顎が後退していた。
3歳の時点でも、口呼吸と舌の低位があると、下顔面の低成長が起こり、5歳の頃には目立つようになる。
口呼吸では下顎臼歯の位置が回転するので、顔面高が高くなる。
上顎の歯列弓が狭くなり、高口蓋になることも明らかになっている。
Malhotra, S., Pandey, R., Nagar, A., Agarwal, S., Gupta, V.: The Effect of Mouth Breathing on Dentofacial Morphology of Growing Child. J of Indian Soc Pedod Prev Dent 30(1): 27-31, 2012.
2012-10-22