歯科医 東のウェブログ
出産とキシリトール
出産したら母がすぐにキシリトールガム。
虫歯は感染症で、伝染性があり、食事に関係しており、唾液が介在する疾患である。脱灰と再石灰化のバランスが脱灰に傾くと、虫歯になる。ストレプトコッカスミュータンスの感染は、一番身近に世話をするもの、通常は母親から子供に伝染する。
子供へのストレプトコッカスミュータンスの伝染を防ごうとすると、妊娠中から食事に気をつけて、口腔衛生状態を改善し、キシリトールの消費量についても考え始めるべきである。ミュータンスの母子感染を予防するのは、予防の前の予防と考えられる。
穴が開くまでの虫歯の過程は2つのステージがある。感染症としての虫歯と生活習慣病としての虫歯。
感染症としての虫歯が乳歯萌出前に起きると、乳歯萌出後に感染が続く。
生活習慣病としての虫歯は、砂糖の摂取頻度、ブラッシング状況、唾液の状態に関係する。
クロルヘキシジンは細菌を攻撃して、ストレプトコッカスミュータンスを減少させ、4ヶ月間子供の口腔内にミュータンスが定着するのを遅らせる。
キシリトールの使用は、細菌に作用しない。酸産性能のあるストレプトコッカスミュータンスが定着しにくい環境に代えるだけである。キシリトールはプラークと唾液のpHを上げて、6炭糖を5炭糖にして、細菌が使えないようにする。
キシリトールはすぐにミュータンスを減らすだけでなく、長期に渡って虫歯を減らす。
Nakai, Y.: Influence of Maternal Xylitol Consumption on Mother-Child Transmission of Cariogenic Bacteria During and After Pregnancy. Finn Dent J, Suppl 1: 12-17, 2006.
2013-07-02