歯科医 東のウェブログ
鼻呼吸と口呼吸
鼻呼吸と口呼吸の話。
一酸化窒素は、上顎洞で産生され、鼻腔に移動する。呼吸するたびに、一酸化窒素は肺に入る。
口呼吸では、一酸化窒素は吸入されない。一酸化窒素は、血管拡張性があり、血中への酸素の吸収を促進させる。
スエーデンの研究者が、肺への酸素の取り込みに関して、一酸化窒素の吸収の効果を調べた。二部に分かれる。はじめに、健康な被験者の血液中への酸素の取り込み関して、鼻呼吸と口呼吸の効果を調べた。
次に挿管されていて、鼻腔からの一酸化窒素がない患者を調べた。一酸化窒素の吸入が、動脈血中の酸素に影響するかどうかを調べた。そのために、被験者の鼻からの気体は集められ、人工呼吸器に入るようにした。
健常な被験者の6/8において、血中酸素吸収は、口呼吸のひとに比べて鼻呼吸のひとが10%高かった。
長期間人工呼吸器を使用している人は6人全員が、一酸化窒素が豊富に人工呼吸器に加えられると、血中の酸素取り込みが、18%増加した。この所見から、健常者において口呼吸より、鼻呼吸の酸素の血中への取り込みが増加するといえる。人工呼吸器の患者は一酸化窒素の豊富な自分の鼻からの吸気を加えるとメリットがある。
Lundberg, J.O., Settergren, G., Gelinder, S., Lundberg, J.M., Alving, K., Weitzberg, E.: Inhalation of Nasally Derived Nitric Oxide Modulates Pulmonary Function in Humans. Acta Physiol Scand;158(4):343-347, 1996.
2013-09-14