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歯周病と全身疾患
歯周病と全身疾患の話。
2013年、スペインのセゴビアで口腔疾患と全身との関係に関するワークショップが開催された。最初のテーマとして、感染と口腔から全身へ波及する炎症と炎症反応のメカニズムを総括する議論が行われた。
歯周病は、その細菌や炎症やサイトカインが身体の他の部位や器官に移動して疾患の原因となり得る移行性の疾患と考えられている。歯周病は、全身の炎症への影響があることも明らかにされている。歯周病は、細菌感染によって起こり、それが炎症反応を引き起こし、歯槽骨や結合組織の破壊につながる。
歯周病原菌をもつひとすべてが歯周病を発症するわけではない。宿主の感受性が必要である。歯周病感染は局所で起きているようにみえるが全身に広がり得る。健康な歯肉溝は細菌の侵入と拡散を防ぐ。重度の炎症があるポケット上皮には、口腔内細菌は簡単に侵入して全身に拡散する。内毒素も容易に感染したポケットから血流に侵入する。咀嚼、ハブラシ、ブロービング、根管治療でさらに促進される。
口腔内から離れた局所器官に拡散される細菌と細菌の内毒素の反応において、炎症誘発性メディエイターは表に現れていない。口腔内細菌と関連するタンパク質が離れた場所に到着すると、炎症のカスケード反応が起こる。歯周病が全身の状態に関連しているのは明らかであるが、原因と効果のエビデンスはわかっていない。
Van Dyke, T., van Winkelhoff, A.: Infection and Inflammatory Mechanisms. J of Perio 40:n(Suppl. 13) S1-S7, 2013.
2013-11-04