歯科医 東のウェブログ
内臓脂肪は歯周病に関係する?
Visceral fat linked to periodontitis
全身と歯周病の関係が話題になってずいぶん経ちますが、その話。
肥満は増加していて、糖尿病と心疾患のリスクファクターである。韓国では、1998年で男性は26%、女性は27%の肥満の率だったのが、2002年には男性34%、女性29%に増加した。糖尿病での死亡は1985年で7%だったのが、2004年には24%に増えた。
脂肪の量より、脂肪の分布が心疾患の予後を調べるのに重要である。BMIやウエストとヒップの比率や内臓脂肪分布など、いくつかの肥満の測定法がある。内臓脂肪は脂肪と脂肪以外の電子的な測定方法で水中体重測定法の値と近似している。韓国のいろんな大学からの研究者が歯周病部門の大きな、20年以上のグループに基づく研究に参加した。歯周組織の健康状態を調べるのに、6分割したなかから臼歯を2本ずつと上顎右側と下顎左側の中切歯の2本の合計10本の歯を調べた。ブロックごとに点数が与えられ、最大値を患者の点数とした。歯周病のブロックの合計数を数えた。
1046人の評価した患者のうち、11%が歯周病の問題はなかった。57%が歯肉炎で32%が歯周病だった。歯周病グループは頻繁にブラッシングしなくて、ヘビースモーカーで、飲酒もする。
4つの肥満の指標は相関性があった。ほかの要素を除外して、内臓脂肪分布スコアの高いひとをみると、45歳から54歳の男性が3.30倍歯周病になりやすかった。
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内臓脂肪は歯周病のリスクファクターと考えられる。減量したら歯周病がよくなるかどうかはまだ分からない。
体の中身を知るのが体脂肪率ならば、体重と身長の比率・指標になるのがBMI(ボディ・マス・インデックス)という指数です。BMIは体の肥満度を判定する数値として使われており、体重と身長の比率で割り出されます。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)(日本人間ドック学会より)
どの程度であるといわゆる肥満なのか、国によって異なってきます。
日本では、18.4以下なら低体重、18.5~24.9内ならば基準値、25.0以上を肥満としています。
Han, D., Lim, S., Sun, B., Paek, D., Kim, H.: Visceral Fat Area-Defined Obesity and Periodontitis Among Koreans. J Clin Perio 37: 172-197, 2010
2010-05-17