歯科医 東のウェブログ
歯周組織の治癒の化学的マーカー
Chemical markers of periodontal healing
Marcaccini, A., Meschiari, C., Zuardi, L., de Sousa, T., Taba, M., Teofilo, J., Jacob-Ferreira, A., Tanus-Santos, J., Novaes, A., Gerlach, R.:
Gingival Crevicular Fluid Levels of MMP-8, MMP- 9, TIMP-2, and MPO Decrease After Periodontal Therapy. J Clin Perio 37: 180-190, 2010.
マトリクス・メタロプロテイナーゼ(MMPs)は好中球から放出される酵素で、歯周組織の破壊に関与している。MMP-8は歯肉溝滲出液におけるコラゲナーゼの80%であり、歯周病治療の成功後は、約50%まで減少する。ほかのMMPsも歯肉溝滲出液から測定された。
ブラジル、サンパウロのサオパウロ大学の研究者が、27人の患者と15人のコントロールで非外科的な歯周病治療の前後での、臨床的指標と歯肉溝滲出液のMMPレベルを測定した。患者は少なくとも20本以上の歯があり、年齢は35歳から55歳であった。コントロールは歯周組織が健康で、口腔衛生指導のみうけて、縁上スケーリングをうけた。被験者は中等度の歯周炎で3−4週間にわかって歯周病専門医に治療を受けた。グレーシーキュレットとキャビトロン超音波スケーラーによる機械的清掃が、局所麻酔下で行われた。
治療後の臨床指標は有意にテストグループで改善された。コントロールグループでは口腔衛生指導と清掃のせいで、BOPが減少した。歯肉溝滲出液の流量はテストグループもコントロールも3ヶ月前と同じだった。MMP-8レベルはコントロールでは変わらなかった。一方、テストグループは、非外科的な治療後3ヶ月で有意に減少した。非外科的な治療後のMMP-8レベルの減少は、組織治癒の正確な測定だと考えられる。
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もう少ししたら、そんなことで治癒が分かるのか。