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Er:YAGレーザーを非外科的歯周病治療に使ってみた
Er:YAG laser tested for non-surgical perio
レーザー治療は昔からあるスケーリングとルートプレーニング(SRP)の代わりになるものか、それとも補助的なものであろうか?いろんなタイプのレーザーが現在利用可能であるが、エルビウム添加:イットリウムアルミニウムガーネットYAGのものが、Er:YAGとしてよく知られている。レーザーは殺菌性と解毒能力があるのでSRPの代わりになると示唆されている。
イタリアのフローレンス大学の研究者がEr:YAGレーザーとSRPとを比較した。27人の患者を4つのグループにわけた。
縁上スケーリングとポリッシング
Er:YAGレーザー
SRP
Er:YAGとSRP
1/4顎ずつ治療をして4回で終了。患者は4つの治療法を4つのブロックにランダムで受けた。最初にベースラインとして検査を行った。縁上スケーリングのグループは他の3つのグループより治癒が悪かった。
治療のゴールは、進行を止めることと、ブリーディングと、PPDとアタッチメントロスから判断して、健康な組織に戻ることである。4mm以上の部位のブリーディングはベースラインで71-75%であり、6ヶ月後も53-58%と高いままだった。4mm以上の部位は24-28%に減少した。
レーザーはあまり時間がかからなくて、1ブロックで
7分(縁上スケーリングとポリッシング)
13分(Er:YAGレーザー)
16分(SRP)
19分(Er:YAGとSRP)
であった。
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治癒はSRPと同じだし、時間も短くてすむ。値段だけが問題です。
Rotundo, R., Nieri, M., Francesco, D., Mervelt, J., Bonaccini, D., Esposito, M., Pini-Prato, G.: Lack
of Adjunctive Benefit of Er:YAG Laser in Non-Surgical Periodontal Treatment: A Randomized Split-Mouth Clinical Trial. J Clin Perio. 37: 526-533, 2010.