歯科医 東のウェブログ
ナノ粒子の知覚過敏用の歯磨き粉
Nanoparticles in sensitivity toothpaste
Orsini, G., Procaccini, M., Manzoli, L., Giuliodori, F., Lorenzini, A., Putignano, A.: A Double-Blind Randomized- Controlled Trial Comparing the Desentizing Efficacy of a New Dentrifice Containing Carbonate/Hydroxyapatite Nanocrystals and a Sodium Potassium Nitrate Dentifrice.
Journal of Clinical Periodontology, Vol. 37, No. 6., pp. 510-517.
成人の約半数が象牙細管が口腔内に露出している象牙質知覚過敏症(DH)に罹患している。知覚過敏症は動水力学説で説明される。露出した象牙細管内の液体が刺激により素早く移動するため、神経を刺激して痛みを引き起こすというものである。家庭用の歯磨き粉には、カリウム塩が含まれており、それは露出した象牙細管を塞ぎ、神経の反応を止めるので、推奨されている。最近、亜鉛がハイドロキシアパタイトの結晶に加えれて、実験室では、象牙質に石灰化した膜を作り出すことが示された。
イタリアのアンコラのMarche大学の研究者が70人のボランティアのグループで、Snsodyne PrNamelと新しいハイロドキシアパタイトのナノ結晶を含んだ知覚過敏用の歯磨き粉とを比較した。知覚過敏は、ベースラインと4週間と8週間で測定した。知覚過敏テストは探針、エア、冷水、患者の主観的知覚の4つの方法で行った。
両方の歯磨き粉ともに、知覚過敏には効果があり、8週目での効果は、28%から63%までだった。探針と冷水での検査では有意差はなかった。新しい歯磨き粉は、エアーと患者の主観の知覚で、有意に効き目があった。
2010-08-31