歯科医 東のウェブログ
非侵襲的な歯周病診断
痛くない歯周病検査が将来はできるでしょう。
歯周病は最初に、レントゲンと歯周組織プローブにより、PDDとアタッチメントレベルと出血を測定して診断する。次世代レベルでは、遺伝子測定と口腔内細菌検査で、非侵襲的に診断できるだろう。
非侵襲的な診断方法は、電離放射線を使用せず、患者にとって不快ではなく、組織を刺激しなくてよい。
さらに、歯周病の現在の情報と、進行を予測する事が出来るだろう。3つの方法が開発されている。
赤外線分光学を使って、組織の化学結合と分子と分子下の特徴を調べて、健全な歯周組織と病的な歯周組織とを見分ける。共有結合は赤外線で振動し、エネルギーを吸収する。これにより、組織の細胞の指紋のようなものが作り出せる。もし歯周病が進行したり、治療をすると、指紋が変わるだろう。単一のバイオマーカーより、赤外線分光学は複雑な生態システムを解析する。赤外線分光学は、健全組織と疾患の様々な段階におけるバイオマーカーのスペクトルを検知し、歯肉溝滲出液も解析できる。
光コヒーレンス・トモグラフィー(断層映像法)は、低レベルのレーザー光で、歯周軟組織と歯槽骨の断層像を高解像度で作り出せる。これらの3次元画像で歯周組織の微細構造が得られるので、プロービングしなくてもよくなる。
歯科で研究されている他の撮画手段は、超音波で、放射線を組織に照射せずに歯槽骨と軟組織のエコグラフをつくることができる。
---
将来は歯周病検査も簡単にできるかもしれないです。しかし治療はやはり手技の差が出ますので、現在の検査はよくトレーニングされたスタッフのいる施設ではなかなかいい線いっていると思います。
Xiang, X., Sowa, M., Iacopino, A., Maev, R., Hewko, M., Man, A., Liu, K.: An Update on Novel Non-Invasive Approaches for Periodontal Diagnosis. J Perio 81: 186-198, 2011.
2011-06-22