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親が歯周病だと子供も歯周病?
親が歯周病なら、ご自分も歯周病に要注意です。
世代間の研究で、循環器疾患、糖尿病、メタボリックシンドローム、悪性腫瘍、気管支ぜん息、肥満、喫煙、飲酒、ドラッグ依存に関して、父母と子供の間には相関があるということが示されている。侵襲性歯周炎には家族性があるということは多くの研究で示されているが、慢性歯周炎に対する世代間の影響の研究は少ない。
ニュージーランドのダニディンのオタゴ大学の研究者が、歯周病の家族歴は、子供の将来の病気のリスクファクターになるかどうかを調べた。研究テーマは、ダニディンの学際的健康増進研究(DMHDS)の一部分であった。32の調査の間に、913人の被験者は歯周病検査を受けた。被験者の両親が歯周病について問診を受けた。以前に歯周病と診断されたことがあるか、以前に歯周病治療の経験があるか、歯周病で歯を失ったことがあるか。被験者のうち849人の親が問診を受けて、625人が両親とも問診を受けた。
両親を2つのグループに分類した。高リスクと低リスク。親がハイリスクの被験者は、初期のポケット形成とアタッチメントロスの傾向があった。驚くことではないが喫煙者とプラークスコアが高い被験者は歯周ポケットが深く、アタッチメントロスが大きかった。
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両親とは遺伝子を共有するだけでなく、唾液も共有していると考えられる。さらに環境と口腔衛生の習慣も共有しているので、歯周病検査の値がおやこで似ている。
Shearer, D., Thomson, M., Caspi, A., Moffitt, T., Broadbent, J., Poulton, R.: Inter-Generational Continuity in Periodontal Health: Finding from the Dunedin Family History Study. J Clin Perio 38: 301-309, 2011.
2011-05-19