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入院はお口の健康には悪い
入院するとお口の状態が非常に悪くなります。
入院患者にとって、お口の健康とお口の衛生状態は、優先順位は高いとは言えない。したがって、お口の状態とお口の衛生状態が悪いとQOLや栄養や全身の健康に影響を与える。お口の健康とお口の衛生状態が悪いことは院内感染に関連しており、特に挿管された呼吸器疾患に関連している。
ロンドンのEastman Dental Instituteの研究者が入院中の口腔の健康の変化を調べた研究をレビューした。9000以上の文献がみつかり、そのなかの37の論文を評価して、5つの論文がシステマテックレビューの研究デザインに合致した。4つの研究がICUの患者を含んでおり、1つがICUと心臓外科の患者を含んでいる。2つがアメリカの論文で、のこりがイギリス、フランス、オランダの論文であった。
研究での口腔清掃は、生食を浸した布やスポンジで拭くものから歯磨き粉を使うものまで多岐にわたっていた。歯磨き回数も1日2回から1日6回と幅があった。
プラークレベルを記録していくと、5つの論文のうち、4つの論文で、入院中にプラークレベルは有意に増加していた。ベースラインのプラークスコアが23%で10日入院後のプラークスコアが93%という研究もあった。歯肉の炎症は入院中に増加していた。挿管された患者は、挿管されていない患者に比べて、粘膜炎を起こす多かった。
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入院とプラークの増加と口腔の健康が悪くなることは関連している。入院患者には口腔衛生に気をつけて、口腔衛生を管理するひとが必要です。
Terezakis, E., Needleman, I., Kumar, N., Moles, D., Agudo, E.: The Impact of Hospitalization on Oral Health: A Systematic Review. J Clin Perio 3, 2011.
2011-06-21