歯科医 東のウェブログ
糖尿病のひとは注意
歯周病があると糖尿病は悪化します。
歯周病は歯周組織に酸化ストレスを引き起こし、活性酸素種のレベルを増加させる。
アイルランドのコークのコーク大学の研究者が、糖尿病の患者を対象にして、酸化ストレス指標に関して歯周病への影響を測定した。20人ずつの3グループ。
1)歯周病の2型糖尿病のひと
2)歯周病ではない2型糖尿病
3)糖尿病ではない歯周病のひと
糖尿病クリニックと歯学部病院から集められた。年齢、性別、歯周病の状態に関して患者に適合するように配慮した。
歯周病検査、BMI、血液検査を評価した。酸化によるたんぱく質の傷害により、カルボニル基の形成が行われ、それはIgGの測定によりわかる。酸化ストレスを減らす抗酸化物質の有効性をビタミンC,E,Aで測定した。抗酸化物質の有効性は糖尿病と歯周病を併発している場合に低くなる。
2つの糖尿病グループは、糖尿病でない歯周病グループに比べるとBMIが高かった。2型糖尿病+歯周病のグループは、BOPが糖尿病でない歯周病グループより高かった。CRPレベルは2つの糖尿病グループでは同じであったが、糖尿病でない歯周病グループでは低かった。これにより変数は糖尿病であり、歯周病ではないことが示唆される。
膵臓のベータ細胞はインスリンを産生し遊離させ、血中のグルコースレベルをコントロールする、歯周病ではない2型糖尿病のひとと比べて、歯周病+2型糖尿病のひとはベータ細胞の機能が低かった。2型糖尿病+歯周病のひとのHbA1cレベルは、歯周病ではない2型糖尿病のひとより、高かった。歯周病は、糖尿病のようにすでに日和見的に酸化された状態にあるひとには負の効果をもたらす。
Allen, E., Matthews, J., O’Halloran, D., Griffiths, H., Chapple, I.: Oxidative and Inflammatory Status in Type 2 Diabetes Patients with Periodontitis. J Clin Perio 38: 894- 901, 2011.
2011-12-30