歯科医 東のウェブログ
歯周病と喫煙
歯周病の人はそろそろタバコをやめましょう。
喫煙者の抗酸化ストレスと酸化ストレス
喫煙は歯周組織の健康にとって数種の悪影響をもたらす。血流の減少、好中球の機能低下、サイトカイン産生の増加、線維芽細胞の成長と付着の阻害、コラーゲン産生の減少、血管新生の減少。
喫煙は好中球の酸化的な破壊を刺激して、活性酸素種を増加させる。身体が保持している抗酸化物質は、この不均衡を是正するのに使用される。歯周病により血中と身体のの抗酸化物質レベルは高くなり、禁煙することで血中と身体のの抗酸化物質レベルは下がる。
トルコのイスパルタのSüleyman Demirel大学の研究者が喫煙者を対象に、血中と歯肉の抗酸化物質レベルを測定した。酸化ストレスの指標としてMDも測定した。被験者は歯周病患者65人、歯周病でないひと20人。歯周病患者を、
1)喫煙者23人
2)過去の喫煙経験者23人
3)非喫煙者19人
に分類した。
齲蝕が原因で抜歯となる歯を対象に隣接面のポケットから歯肉組織サンプルを採取した。血液採取も行った。
歯周病グループでは、喫煙者のプラークスコアは有意に高かった。PPD、アタッチメントレベルは差はなかった。活性酸素種レベルは歯周病のある喫煙者が高かった。活性酸素種レベルは歯周病のないひとが一番低かった。酸化ストレスの指標としてのMDは、歯周病でないひとが一番低く、歯周病のひと、特に喫煙者で歯周病の人が高かった。
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酸化ストレスと活性酸素種レベルの測定が歯周病の診断に使われるようになるかも。
Tonguc, M., Öztürk, O., Sütcu, R., et al: The Impact of Smoking Status on Antioxidant Enzyme Activity and Malondialdehyde Levels in Chronic Periodontitis. J Perio 82: 1320-1328, 2011.
2011-12-30