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抜かないとダメな歯の治療
抜かないとダメな歯の治療方法。
エンド病変や歯周組織の根尖に達するようなアタッチメントロスのある歯は、一般的にホープレスの歯であると考えられ、抜歯が唯一の予知性のある治療オプションである。再生療法はこんな歯に治療オプションを提供するが、長期的な予後はまだ分かっていない。
ヨーロッパ歯周病研究グループ(ERGOPERIO)の研究者が、ホープレスな歯を対象にした再生療法と抜歯+補綴処置の長期症例を比較した。被験者は歯周病的なホープレスな歯をあるひと50人。半数が再生療法を受けて、半数が抜歯後、インプラント処置またはブリッジ補綴を受けた。補綴処置の内訳はインプラント支台の補綴14人、天然支台のブリッジ8人、メリーランドブリッジ2人、補綴しなかった1人。
5年後。再生療法を受けた25本のうち23本が健康に機能していた。2本が1年後に抜歯となった。92%の成功率。クリニカルアタッチメントレベルの獲得は平均7.7mmで、レントゲン的な歯槽骨の獲得は8.5mmであり、PPDの減少は8.8mmで、残存PPDは4.4mmであった。
抜歯+補綴の治療をグループは、初期治療として外科処置も必要であったが、5年後の経過は良好であった。インプラントも補綴物も安定していた。再生療法グループも、抜歯+補綴グループも成功している。
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Cortellini, P., Stalpers, G., Mollo, A., Tonetti, M.: Periodontal Regeneration versus Extraction and Prosthetic Replacement of Teeth Severely Compromised by Attachment Loss to the Apex: 5-Year Results of an Ongoing Randomized Clinical Trial. J Clin Perio 38: 915-924, 2011.