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歯周病と根面の虫歯
歯周病のひとは根面虫歯に注意する必要があります。
成人において根面齲蝕の割合は43%から63%であると報告されている。唾液中のストレプトコッカス・ミュータンス数とラクトバチラス数が高いと、唾液の分泌と緩衝能が低下する。喫煙と口腔衛生状態が悪いことは根面齲蝕のリスクファクターである。
根面齲蝕指数(root caries index RCI)は、(齲蝕根面数+処置済根面数)の割合で算出する。例えば、根面齲蝕と根面齲蝕を治療した部位が6面あり、全根面が60あるなら、(6/60)×100=10%となる。
いままでの研究では、RCIは6%から10%である。
オランダの研究者が45人の歯周病のメンテナンス患者を評価して、RCIとリスクファクターを決めた。
被験者の平均年齢は55歳で、RCIの平均は8%であった。
実際の根面齲蝕の数は、ゼロから19面であり、平均4.3面であった。根面露出数は、10から119で、平均65面であった。歯冠部の齲蝕の治療済みの数は42から83面であった。歯冠部の齲蝕の治療済みの数は、歯根齲蝕と相関を認めなかった。
唾液中のストレプトコッカス・ミュータンスの数と根面齲蝕とは相関が認められた。ラクトバチラスとは相関が認められなかった。口腔衛生状態が悪いことは、根面齲蝕と相関が認められた。
平均プラークレベルは唇側面で29%で、隣接面で45%で、舌側面で50%であった。全体のプラースコアは、8%から88%までで、平均41%であった。
歯周病の治療が進むと根面齲蝕のリスクが増える。
Reiker, J., van der Velden, U., Barendregt, D., Loos, B.: A Cross-Sectional Study Into the Prevalence of Root Caries in Periodontal Maintenance Patients. J of Clin Perio 26: 26, 1999.
2012-03-17