歯科医 東のウェブログ
口臭と歯周病の関係
歯周病の判定のために口臭も指標となるというお話。
揮発性硫黄化合物(VSCs)は、タンパク質の崩壊で放出される気体であり、口臭として検出することができる。VSCsは、口臭と歯周病とに関係しており、硫化水素とメチルメルカプタンと硫化ジメチルを含んでいる。舌苔と歯周病は大量のVSCsを放出する。
新潟大学の研究者が、非喫煙の老人を3年以上追跡してVSCスコアが歯周病の進行に相関しているかどうかを調べた。被験者は大規模研究に参加した70歳の日本人。
ベースラインで歯科検診を行い、年に一度3年間続けた。臨床的アタッチメントレベルとBOPを追跡した。VSCスコアも記録した。口腔の健康と食習慣の調査のため問診を行った。
被験者は2つのグループに分けれた。食事前に検査、食事の後に検査。食後のVSCは食前のVSCより低かった。
ベースラインから3mm以上のアタッチメントロスがあるひとはVSCが高かった。
6mm以上のPPDのほとんどがVSC値が高かった。歯周病の歯の本数が高い人ほどVSC値が高かった。
フロスの使用、定期検診、アルコールの量、ブラッシングの回数はVSC値に影響しなかった。
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VSC値は、歯周病のリスクファクターと考えられており、歯周病の進行のために観察すべき検査値である。
Makino, Y., Yamaga, T., Yoshihara, A., Nohno, K., Miyazaki, H.: Association Between Volatile Sulfur Compounds and Periodontal Disease Progression in Elderly Non-Smokers. J Perio 83:635-643, 2012.
2012-07-22