歯科医 東のウェブログ
キシリメルトと口腔乾燥症
口腔乾燥症のひとは、就寝中が困ります。その対策の話。
長寿社会のせいか、口腔乾燥症のひとが増加しています。お口が乾くと痛いし、虫歯が増えるしいいことがありません。
口腔乾燥症は、薬物治療、持続的気道陽圧法、放射線治療などにより引き起こされる。
トローチ、ジェル、スプレーが日中のドライマウスをコントロールするのに使われるが、就寝中は使えない。キシリメルトは2層構造の植物性のガムで、片方が歯や粘膜に接着する。
キシリトールを含んだ全ての成分は、不溶性で、口腔内を滑らかにする。
ワシントン大学の研究者が、15人の口腔乾燥症のひとを被験者にして、キシリメルトの効果を調べた。
被験者は、朝食後、昼食後、夕食後に、左右どちらかの上顎第一大臼歯の頬側面またはその部分の歯肉にキシリメルトを貼り付けた。就寝前には、上顎第一大臼歯の頬側と、その歯肉の両方に貼り付けた。
被験者は、1週間、キシリメルトがどれだけ残っているかと、口腔内の湿潤状態を毎朝チェックした。
ベースラインで、刺激時の唾液流量を測定し、1週間後に再度測定した。
刺激時の唾液流量に有意差は認めなかった。唾液分泌割合は、0.004ml/minute〜0.074ml/minuteであった。平均の刺激時の唾液流量は、1ml/minuteなので、上記のスコアは非常に低い。
口腔内の湿潤状態は、VAS(0から100)で記録した。ベースラインでの口腔内の湿潤状態は、ゼロから50の範囲であった。1週間後のスコアは、32から92であった。
不快状態のVAS値は22から9に減少した。
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口腔乾燥症のための、就寝中対策の製品が登場しています。けっこういいかも。
Burgess, J., Lee, P.: XyliMelts Time-Release Adhering Discs for Night-Time Oral Dryness. Int J Dent Hygiene 10:118-121, 2012.
2012-07-27