歯科医 東のウェブログ
プロバイオティックと口の病気
再びプロバイオティックの話。最近流行っています。
プロバイオティクスは口腔の疾患の予防に役に立つかもしれません。
およそ100兆の微生物にとって、ヒトの身体を自分の家といえる。ふだん食べている食物中や飲んでいる水の中には多くの細菌が存在している。発酵食品にも細菌が存在している。ソーセージ、みそ、テンペ、しょうゆ、チーズ、ヨーグルトなど。(テンペは日本人には馴染みがないが、インドネシアの発酵食品)。
プロバイオティックは、生きている微生物で、消化管や口腔でよい働きをする。プロバイオティックという用語は、数世紀前に登場していたにもかかわらず、1965年にサイエンスマガジンで紹介された。
プロバイオティックは、抗菌薬と反対の意味といえる。プロバイオティックは微生物食品で、健康のための栄養素が含まれている。プロバイオティックは、消化されない食品で、健康によい特定の細菌の成長を促進させる。健康によいプロバイオティックをセットにしたものとプレバイオティクスは、シンバイオティクスと呼ばれる。
過酸化水素を産生するプロバイオティックがあり、よくない細菌を死滅させる。副作用として歯が漂白されてしまう。経口プロバイオティックの細菌は、非酸産生種である。
特定の経口プロバイオティックで口腔内の細菌のバランスを変えると、口臭症と関連する揮発性硫黄化合物を遊離する細菌を死滅させることができる。
口腔内で、経口プロバイオティックは、細菌叢のバランスを、病的で脱灰作用のある細菌叢から、健康で再石灰化を助ける細菌叢に変化させる。
口腔内でのプロバイオティックには4つの属性が必要である。
1)歯面への接着。
2) 口腔内の病原菌に対する抗菌物質を産生する。
3) 抗炎症作用。
4) 口腔内の環境を変える。
経口プロバイオティックは、ガムやミントとして利用される。
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とうとうプロバイオティックの時代ですね。
VAnilkumar, K., Monisha, A.: Role of Friendly Bacteria in Oral Health - A Short Review. Oral Health Prev Dent 10:3-8,2012.
2012-08-03