歯科医 東のウェブログ
キシリトールの量
効き目のあるキシリトールの量はどれくらい?
細菌を減らすためのキシリトールの量はどれくらい?
キシリトールは公衆衛生の方法として費用のかからない方法であり、最小限の量と使用頻度を知りたい。ワシントン大学の研究者が、120人の成人を対象に6ヶ月間、キシリトールガムの量を3種類に分けて調べた。コントロールは、ソルビトールとマルチトールのガム。
被験者は、毎日4回、3つぶのガムを5分間咬むように指示された。
コンプライアンスを高めるために、最初の5週間は、毎週ガムを配布して、残りは6ヶ月目まで、2週間に一度配布した。
1日量は、(1)3.44g(2)6.88g(3)10.32g
ベースライン、5週間目、6ヶ月後でプラークと唾液を採取した。
プラーク中のストレプトコッカスミュータンスレベルは、(2)6.44gと(3)10.32gのグループが、5週と6ヶ月の時点で1/10になった。プラークの培養から言えることは、キシリトールはプラーク中の他の細菌数を変化させないが、ストレプトコッカスミュータンスに作用している。
唾液中の細菌レベルも2つのグループでは低くて、(1)3.44g/dayのグループは細菌数は変化していなかった。
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キシリトールガムは、1日量6gから10gを4回にわけて咬む必要がある。6g以下だと効果はなさそうですね。
実際に日本で噛むとしたらロッテが製造、発売オーラルケアのXYLITOLというガム。
1粒1.3gのキシリトール含有ですので、1日5粒かむ必要があります。
微妙な量ですが、もし5粒食べられる環境にあるのなら、試してもいいかもしれないです。
実際に試してみると1日5粒なら現実的に許容できる量です。
ただし、これは上記の製品のみです。
市販のキシリトールガム、分かりやすい例で言うと上記の製品の市販版を調べてみると
キシリトールの量が1粒0.5gだったので、6gとろうとしたら12粒咬む必要があります。
ロッテの製品は丁寧で、2粒ずつ5回かんでくださいと記入されていました。5gとったら効き目がありますよということで、大変丁寧です。6gでも5gでもまあいいでしょう。
ちなみにM社のものをみると1粒0.3gで、1日20粒も食べないとだめで、非現実的でしょう。さすがに2粒ずつ10回かみましょうともかけないので、書かれていませんでした。
ということで、キシリトールは現実的にはガムでとるしかないし、歯科医院専用とかかれたロッテの製品なら5粒でOKなので、その選択がベストです。
ガムを食べるのは虫歯を減らすためではなくて、嗜好品として食べるので、あれこれ考えて食べるとおいしくないので、おいしいと感じるものがいいのかなぁと思いますが、あんまり効き目がない量なのに、キシリトール!キシリトール!と書いてあるじゃないか!とすこし残念。
そんなこと言い出したら、歯磨き粉も成分の濃度が表示されいるものがほとんどなくて、効かない濃度なんだろうなぁと思ってしまいます。歯科関係者はちゃんと濃度の分かっているものを使うので、書かれていないものは使わないので、うっかりしていましたが、そのうち市販品も調べないとと感じます。
Milgrom, P., Ly, K., Roberts, M., Rothen, M., Mueller, G., Yamaguchi, D.: Mutans Streptococci. Dose Response to Xylitol Chewing Gum. J Dent Research 85 177-181, 2006.
2012-09-11