歯科医 東のウェブログ
妊娠中にキシリトールガム
唾液を通じてのストレプトコッカスミュータンスの母子感染。
妊娠したら、お子さんが虫歯にならないように、2歳まではチョコは禁止ですよと話すのですが、ここでは、キシリトールガムの話。
母親が子供が2歳になるまでキシリトールガムを食べていると子供は5倍、ストレプトコッカスミュータンスに感染しにくい。
日本の研究者が、日本人の母子でもこれが当てはまるのかを調べた。妊娠中の女性の唾液中のストレプトコッカスミュータンスを調べた。
被験者はランダムにキシリトールガムまたはガム以外を割り当てられた。妊娠6ヶ月で開始して、2年間つづけた。被験者は基本的な口腔衛生指導を受けた。ガムグループは、甘味料は100%キシリトールのガムを与えられ、1日4回ガムを咬むように指導された。3ヶ月に1度、次の3ヶ月分のガムをとりに来院させた。被験者はガムの量、ガムを食べる頻度、副作用を正確に記録した。
子供の、安静時の唾液とプラークを舌と顎堤(歯が生えたら歯から)から、9ヶ月、10ヶ月、12ヶ月、18ヶ月、19ヶ月の時点で採取した。母親がキシリトールガムグループ以外の子供は、ストレプトコッカスミュータンスの感染が9ヶ月早かった。キシリトールガムグループの56人の子供うち、37%が24ヶ月の時点でストレプトコッカスミュータンスが陰性で、他のグループでは13%が陰性だった。
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妊娠したら6ヶ月からキシリトールガムをかむ。ストレプトコッカスミュータンスが減って、唾液の母子感染を防ぐことができるかも。しかし冷静になってください。まずはお母さんが歯みがき上手になってください。ご自分のおくちの汚れを100%とれるくらい上手になってください。
歯科医院でみがき残しがどれだけあるのか調べてもらいましょう。お母さんが身に付けるとこどもも歯みがき上手になりますよ。こどものためのプレゼントと思って身に付けましょう。キシリトール100%のガムは効果的ですので、普通のガムをかむなら、そちらを選びましょう。
Nakai, Y., Shinga-Ishihara, C., et al: Xylitol Gum and Maternal Transmission of Mutans Streptococci. J Dent Res, 89: (1) 56-60, 2010.
2012-08-20