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ハミングと一酸化窒素
ハミングと一酸化窒素の話。
一酸化窒素は、ヒトでは気道で遊離され、鼻呼吸では鼻腔で、産生、遊離される。それが肺に入る。
口呼吸では一酸化窒素は産生も遊離もされない。健康な上顎洞は一酸化窒素濃度が高い。
気道が狭窄していると、一酸化窒素濃度が下がり、口呼吸になる。
一酸化窒素は、筋肉の弛緩や血管拡張にとって、重要である。
ストックホルムのカロリンスカ研究所の研究者が、ハミングは、鼻腔の気道を振動させ、流れを促進させ、鼻腔で、一酸化窒素の遊離が多くなるという仮説を立てた。
被験者は、アレルギー、気道の病歴がない健康な非喫煙者10人。年齢は33歳から48歳ですべて男性。
鼻と口からの呼気中の一酸化窒素を測定した。安静呼気を測定し、ハミングしている間に再び呼気を測定した。
安静時の呼気より、ハミング時の方が一酸化窒素が15倍増加した。
安静時の鼻呼吸では、一酸化窒素レベルが、189nl/minであり、ハミング時は2818nl/mlであった。
安静時の口呼吸では、一酸化窒素レベルは103nl/minで、口呼吸かつハミングでは、104nl/minであった。
一酸化窒素の遊離のトリガーをひくために、鼻腔を空気が通過する必要がある。
口呼吸かつハミングでは、一酸化窒素レベルは増加しなかった。鼻呼吸は口呼吸より、一酸化窒素を多く産生する。
鼻呼吸にハミングが加わると、一酸化窒素は有意に増加する。
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ハミングは口呼吸改善の助けになるかも。
Weitzberg, E., Lundberg, J.: Humming Greatly Increases Nasal Nitric Oxide. Am J Respir Crit Care Med 166(2):144-145, 2002.
2012-10-31