歯科医 東のウェブログ
トリプルヘッドの歯ブラシ
トリプルヘッドの歯ブラシの実力は?という話。
歯間部で多く虫歯や歯周病がおきているにも関わらず、ブラッシングは、日々のブラッシングに頼っている。たいていの人が、頬側と咬合面を磨いて、舌側面を磨くのを忘れる。ブラッシング時の手と目の協調、ブラッシング頻度、ブラッシング時間は、歯ブラシの効果に関係する問題である。
トリプルヘッドの歯ブラシは、前後に動かすだけでプラークが除去できるように、毛を頬側、咬合面、舌側に当たるように配列している。
イスラエルの数校の大学の研究者が、18歳から21歳の190人を対象に、トリプルヘッドの歯ブラシとシングルヘッドの歯ブラシを比較した。プラークインデックス(PI)以外に、術者が歯ブラシのスキルとアシュケナージ指標を記録した。アシュケナージ指標は、歯列を16分割して、それぞれのエリアを10回くりかえすことを目標にして、何回磨いているかの回数を記録する。被験者はコイントスによりランダムに歯ブラシを割り当てられた。
被験者は全員歯ブラシを割り当てられて、ブラッシング指導を受けずに磨くようにした。
プラークインデックス(PI)とアシュケナージ指標を記録した。
PIは、0.41から1.33の範囲で、シングルヘッドグループの方がPIが高かった。
その後すぐに、被験者は個別に割り当てられた歯ブラシにあったブラッシング指導を受けた。
1週間後、再度測定した。
ブラッシング指導後、両グループともPIは減少し、0.12から0.81の間になった。シングルヘッドグループの方がPIが高かった。
ブラッシング始動前はブラッシングスキル指数は両グループとも同じだったが、
ブラッシング指導後、トリプルヘッドの歯ブラシを使用した被験者はスキル指数が有意に向上した。
Levin, L., Marom, Y., Ashkenazi, M.: Brushing Skills and Plaque Reduction Using Singleand Triple-Headed Toothbrushes. Quintessence Int 43: 525-531, 2012.
2012-12-28