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プロービング時の痛み
歯周病治療には必ずプロービングが必要です。
痛いプロービングは、患者が必要な歯周病治療を継続する妨げになる。過去の研究によれば、前歯部のプロービングは臼歯部のプロービングより痛みを感じやすい。これは解剖学から理解できる。臼歯部の歯肉より前歯部の歯肉の方が、自由神経末端が多い。マニュアルプローブと自動プローブの両方とも、痛みや不快感を感じる。炎症の程度もプロービング時の痛みに影響する。
このベルギーでのマルチセンター研究は、プロービング時、スケーリング時、SRP時、メンテナンス治療時の痛みと不快を評価したのものである。
SRP時の90%で局所麻酔が使われていたが、メンテナンス時は2%で、プロービング時は局所麻酔は使われていなかった。被験者は通院時に痛みと不快のアンケートを受けた。
プロービング時に強い痛みを感じたのは10%以下であった。20%以上が中等度の痛みを感じて、60%が軽い痛みを感じた。ちょうど20%が注射時に痛みを感じなくて、70%が少しの痛みを感じた。
SRPとメンテナンス時の痛みの程度は、プロービング時より低かった。
SRPの1/3とメンテナンスの2%が治療後に痛み止めを服用していた。
この研究は、表面麻酔を販売しているOraqixの資金供与を受けている。
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実際は歯肉縁下の歯周治療は麻酔が必要です。
Van Steenberghe, D., Garmyn, P., Geers, L., Hendrickx, E., Maréchal, M., Huizar, K., Kristofferson, A., Meyer-Rosenberg, K., Vandenhoven, G.: Patients’ Experience of Pain and Discomfort During Instrumentation in the Diagnosis and Non-Surgical Treatment of Periodontitis. J Perio 75: 1465-1470, 2004.
2013-07-23